TOPみんなでつくるリネアストリアウィッグは、わたしと咲く。YUKI「ウィッグを“着る”こと。」

Instagram:yuki_wig

21歳で脱毛症を発症。Instagramにて脱毛症やウィッグについての情報を発信中。
2019年に開催されたASPJ主催「マイセレモニープロジェクト」に参加。チャペルという特別な空間で、「ありのままの自分もそうでない自分も、本当の自分として愛し続けること」を誓った。

自分を受け入れてあげるということ

YUKI様の写真
YUKI様の写真

私がインスタグラムを始めたのは、全身脱毛症でウィッグ生活になり、大好きなヘアアレンジなどをウィッグでもできればと思ったのがきっかけなんです。以前はアメブロで記事を書いていたのですが、これからはもっと気軽に見てもらえたらなと思い、インスタグラムメインでウィッグのアレンジ方法やメイクなどを発信しています。自分が悩みながらウィッグや脱毛症について調べていたときも、歳や境遇が近い人をずっと探していました。当時は派手な格好が好きだったので、ギャルっぽい人がいないか探したり。ウィッグに対してマイナスなイメージを持っていたから、ウィッグでもおしゃれを楽しむ人がいると思いたかった。だから、自分でもやってみようとインスタグラムを始めました。

インスタグラムを始めてすぐの頃にASPJ(※様々な理由により髪に症状をもつ女性や子供達のコミュニティ)のメンバーの方が私の投稿を見てくださり、代表の光子さんからマイセレモニーのお誘いをいただいたんです。ぜひ行きますと二つ返事で開催地の群馬県へ向かいました。

事前ワークをする中で、「自分を受け入れ、自分との誓いを挙げる場にしたい」という想いから、あらためて自分を見つめなおしてみようという課題が出たんです。幼少期はこんな子だったよね。実はこうだったよね。今の自分はどうしていきたい?イベント当日、沢山の人に見守られる中、気持ちを書き留めた手紙を読みました。髪のない自分もウィッグで変身した自分も、どちらも本当の自分として受け入れてあげること。そして、脱毛症だからできない、したくない、そんな言い訳はゼロにして人生思い切り楽しむこと。

素敵なドレスとメイク、髪がないありのままの姿のギャップがまさに自分自身の心みたいで、まだ少し震えていました。でも、髪のない自分を受け入れられたからこそ、忘れていた「自分を楽しむ方法」をまたいっぱいやりたいなって思えたんです。これから先どんなことがあっても、私にとってこの日が人生の大きな大きなターニングポイントであったことを、ずっと忘れません。

積み重なる気持ち

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全身脱毛症になったのは21歳のとき。確立された治療法もなく情報も少ない中、誰にも相談できずに買ったウィッグをかぶってただ泣いていました。

昔から前髪が決まらないと学校に遅刻しそうになるくらい、髪型にこだわりのある女の子でした。色々経験して時が経った今だからこそウィッグでも全力で笑って過ごせていますが、ウィッグ生活になってすぐの頃は、インスタグラムを始めたといってもどこか勢いで頑張ってるところがあったんです。「髪の毛ツヤツヤと思われてるんじゃないかな?」「不自然じゃないかな?」と、自分の中でウィッグをかぶるってことが受け入れられてなかったんだと思います。元気に生きてるつもりでも、何をしても偽物に感じたり、結局私生活では悩んじゃうような時期もあって。地毛があったらいいのにな、本当は治ってほしいな、恋愛もできるのかな…と沢山のモヤモヤを抱えていました。

人工毛には苦手意識があったので人毛ウィッグを使っていたのですが、とにかくウィッグだとバレたくない気持ちがどんどん大きくなり、いつもつまんない髪型ばかりでした。大学生の頃は友達との付き合いだけだから、人工毛のウィッグをかぶっていても「今日のウィッグ可愛いな」みたいな会話をできたのですが、社会人になり営業の仕事もしていたので人の視線に過敏でした。人毛のウィッグもアレンジをしていたけど、ネットが見えるのを気にしたり、明るい色に染めてウィッグがボロボロになっちゃって20万円にサヨナラしたり(笑)。なんでこんなことしてるんやろって本当に病んでしまって。そんな心境だったので「人毛以外は絶対かぶれない!」と思い込んでいましたが、マイセレモニーでリネアさんの『天使のフローウェイブ』をかぶり、ちょっと縁遠かった人工毛の良さが分かりました。「人工毛でも全然可愛いやん!」って。イベントを通じて自分を受け入れられた後は、普通におしゃれをするように「私はこうだから」って思えるようになりました。まわりにウィッグとバレてもバレなくてもどっちでもいいし、そして何より、ウィッグは可愛いんだって気づくことができました。

そこからあんまり人毛ウィッグをかぶらなくなり、日替わりにいろんなスタイルで仕事に行くようになりました。職場の先輩からは「明日このウィッグで来てや~」と言われることもあります。今では形状記憶でセットが崩れない人工毛が大好きだし、他部署の人たちは髪型がコロコロ変わる私に不思議がってそうです(笑)。

可愛くなりたいという気持ちで
ウィッグを「着る」こと

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今後は、ウィッグが欲しくて検索した人が私のインスタグラムを見て「こういう生き方の選択肢もあるんだ」と気づきや安心に繋がる存在になれたらなって思います。以前自然に見える眉毛の描き方やウィッグのアレンジ方法を投稿したところ、参考になりますというコメントを沢山いただけて。ダイレクトメールでも「娘が脱毛症だけど、大きくなったらYUKIさんみたいにウィッグもおしゃれも楽しんでほしい」と相談してもらえることがすごく嬉しかったんです。嬉しいメッセージを読んだら、見てくれている人たちのためにも頑張りたいなという気持ちになります。ウィッグが必要で悩んでいる人たちの間で「YUKIさん知ってる?」と言われるくらいになれたら嬉しいですね(笑)。

成人式や学園祭でまわりと同じようにアップアレンジをしたい子もたくさんいると思うし、当時私自身も欲しかったなと思うので、分け目をがっつり自由に変えられたり、アップスタイルにできるようなウィッグがあればいいなと思います。私はどんなことも全力で楽しみたいので、ハワイのシュノーケリングでは大改造したリネアさんのウィッグをかぶって海に潜りました(笑)。ビニール生地を中に貼り、テープで固定してずれにくくしただけなんですけど、海は絶対に入りたかったので自分で色々試しましたね。ウィッグをかぶらない状態で海やプールに入れないこともないけど、せっかくだし可愛い姿で写真も撮りたいので(笑)。

私は、SNSを通じて気持ちを共有できる人たちがいることを知り、救われました。悩んできたからこそ、ウィッグの魅力を伝えることができるんじゃないかと思います。隠すためじゃなく、お洋服やコスメみたいにただ可愛くなりたいという気持ちでウィッグを「着る」こと。その楽しさをこれからも沢山の人に発信していきたいです。

writer:Higuchi Sakura

メッセージ

wigはなりたい自分になれる魔法のアイテム。wig×makeで可愛く。オシャレに。キラキラな毎日を過ごしたい