お客さまとの縁に感謝をしながら力になり続けたい 真理
髪の毛のことだけではなく、どんな相談も気軽にしていただける美容室であり続けたい
自然なウィッグ・エクステ通販のリネアストリア
Instagram:pine__nao
着用ウィッグ:天使のベースウィッグ
幼少期に抜毛症を発症。高校卒業を機にウィッグユーザーになる。
2020年、LINEASTORIAに入社。自分のように悩みを抱えている方を「ウィッグが広げるつよくてやさしい光で照らしたい」という思いで、カスタマーサポートやインスタライブにて活躍中!
抜毛症歴20年。ウィッグ歴8年。ウィッグをもっと好きになってほしい。そんな想いを届けたくて、リネアストリアに入社しました。ふらっと訪れたお洋服屋さんで試着するような感覚で、ウィッグを気軽に手にとって楽しんでほしくて。ウィッグは怖いものじゃないよって多くの人に伝えていきたいんです。
日々、お客様からの電話やメールで「はじめてでどうしたらいいのかわからない」と不安な声を聴くことが多いです。治療でウィッグが必要になったお客様であれば、頭の中はご病気のこと。入院のこと。家族のこと。仕事のこと。そのたくさんの心配ごとがある中に「ウィッグ」があると思うんです。お客様の「なにもわからない」その焦燥感にかられた声にすべてが詰まっている気がします。
「ウィッグは怖い、悲しい、どうしたら」ひとことでは言い表せない思いをお客様が抱えていたとき、いつも軸にしている言葉があります。これは先輩が教えてくれた、大好きな言葉。
「ウィッグに対して悲しい気持ちも、どこから手をつけていいのかわからない気持ちも。なにもかも、まるごと一度抱きしめてあげる」
高校3年生の時。進学を機にはじめてウィッグをつけようと決心しました。
「なにもわからないんですけど…」とリネアストリアに緊張しながら電話した日のことを今でも鮮明に覚えています。
人生ではじめてのウィッグをつけたとき「髪の毛がある私ってこんな感じなんだ。意外といいかも…!」そう一番に思いました。こんなにかわいいんだ!って。友達の反応もすごく優しくて。メイクをしたことがない私に、メイクやオシャレも教えてくれたんです。それまで、オシャレとかに興味がなかった私がどんどん変わっていくのをリアルに感じて、それはまるで魔法だった。ウィッグの魔法にかかった私は、見える景色が一変しました。メイク、ネイル、そしてウィッグ。自分を表現することが楽しくて。自分が好きだって強く思えた。
それから、20歳。リネアストリアに入社。
「私になにができるんだろう」と将来に思い悩んでいた時期に、自分の強みを考えたんです。一番最初に思い付いたのは、この頭でした。抜毛症の経験が、ウィッグや髪の毛に悩む人の力になれるかもしれない。ウィッグに対して距離を置いている人の気持ちに手を差し伸べられるかもしれない。
「なおはね、赤ちゃんの頃からアトピーの症状がひどくてね」「お尻がかぶれてしまうから、おむつの素材ひとつでもこだわっていてね。ひじや膝にお薬を塗っても、なおは掻いちゃうから。掻かないように包帯を巻いてあげてたんだよ」そう母が教えてくれました。
3歳からはじめた武道では、傷口が道着に触れて悪化してしまうことも。掻いたらもっと痒くなると分かっていたけど、我慢ができなかった。身体だけではなく、頭まで痒くなってきた。
だから、髪を1本抜いてみたんです。その瞬間に痒さが治まった気がした。お布団に潜って髪を抜いては枕の下や、畳の縁に隠していました。髪を抜くのはよくないことだと自分でも気付いていたから、だれにも見つからないように。
でも、小学校に進学した頃には1本2本抜くにはとどまらず毎日髪を抜いていたせいで抜毛箇所も目立つようになっていました。
周囲にも隠せないくらい広がってしまい「だめ。やめなさい」そう幾度となく注意されたので、病院にも通って治すための努力はしていたんです。睡眠時はミトンの手袋をしたり、家では頭を触らないとか。
でも、我慢のしわ寄せが一気にきて、学校でなにかが爆発するかのように不自然な数の髪を抜いてしまっていました。
「なんで抜いたらいけないの?困るのは私だけだよ」注意される度にそう言っていたけど、心は周囲の目に怯えていました。
中学から続けていた柔道の存在が心の支えでした。日々を明るく過ごして柔道を頑張っていたら、周囲からの私を見る目が違ったんです。
友達がメイクやおしゃれに敏感になってきても「柔道をしているからその髪なんだね」「髪とか気にしないよね」その言葉がどんなに私を救ってくれたんだろう。そう思ってもらえることが、私が学生生活を過ごす唯一の方法だったから。
高校の頭髪検査のとき。先生は、私の髪をさげすむかのようにニヤニヤして「ねえ、それもしかして自分で抜いてる?なんでそんな髪なの?」そう注意されたんです。何ひとつ言い返すことができない。私自身に腹が立って涙を流すことしかできなかった。
ウィッグに出会った後もこの日の出来事は脳裏に残っていて、ありのままの私でいるということに少し抵抗を感じてしまっていました。
数年後。リネアストリアに入社し、頭が痒くなって「ウィッグをとりたいな」と呟いた私に「とったらいいのに」と先輩が言ってくれたことがあります。おそるおそるウィッグをとってみてると、周りにいた人たちも一緒に「え!いいやん!かわいい!」とウィッグをしていない、ありのままの私に言うんです。その笑顔を見た瞬間に、あの時とは真逆の涙が流れた。
みんなの温かい言葉に触れてはじめて気付いたことがあるんです。髪があってもなくても、なにもおかしいことではない。そして、ありのままの姿の自分が愛しいと思えたら、もっとウィッグを愛せるということを。
お客様と大好きなウィッグの話で盛り上がったり、ウィッグに対して不安だったお客様がウィッグを手にとってくださったときがすごく嬉しいです。今の私の野望は、お客様と直接お会いできるイベントを開催すること。
私はお客様の病気を治してあげることはできないけど、お客様の気持ちに寄り添って、陽の当たるほうへ導いてあげることはできると思うんです。お客様の明かりになって、道を照らしてあげられる存在になりたいな。「自分を愛せる魔法」がひとつあるならば、私にとってそれはウィッグだと思う。
ありのままの自分を愛して、一緒にウィッグの魔法にかかりませんか?
writer:Naito Shiho