TOPみんなでつくるリネアストリアウィッグは、わたしと咲く。真理「お客さまとの縁に感謝をしながら力になり続けたい」

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着用ウィッグ:天使のModishショート

京都・二条にある美容室VISAGE Locaの美容師。
2019年からリネアストリアの認定サロンに。
ピンクリボンアドバイザーや栄養学に関する知識を持ち、多方面からお客さまのサポートをしている。

VISAGE Loca

真理様の写真
VISAGE Locaの写真

私が働く美容室、ヴィサージュロカの店内の壁には、シンボルアートが描かれています。

花びらのようなコーラルピンクは「美」。美に触れる幸せを。ブルーは「医療」。信頼を意味するブルーは、水の持つ透明感や純粋さを。グリーンとイエローは「健康」。癒しとポジティブを持つ風のような自由さと生命力を。この3つがロカの軸です。

ほとんどの方が「綺麗になりたい」という思いで美容室に行かれると思います。しかし、綺麗になりたいのにアレルギーが原因でカラーが出来なかったり、ご病気が原因で脱毛してしまい、今まで通っていた美容室には通いづらくなってしまったり。

そんな様々なご事情やお悩みを持つお客さまがご来店いただくのがロカです。探して、探して、やっとロカに出会ってくださった方のお力になれていることはとても嬉しいです。

ロカは京都で唯一のリネアストリア認定サロンです。認定サロンとは、リネアストリアのサロン研修に合格した美容室。ウィッグの購入やカットだけではなく、抗がん剤治療後や、脱毛症のお客さまのご地毛のカットもしています。

また、美容師として髪を美しくすることだけではなく、体の中から整えるお手伝いもさせていただきたい。私自身も30代に入ってから、健康を意識する機会が多くなってきて自分のためになると学びはじめた栄養学。アレルギーやホルモンバランス、更年期の症状など。ロカのお客さまは私と同年代の方も多く、同じお悩みを抱えている方が多いです。髪の毛を綺麗にするだけではなく、体のことについてのご相談いただける美容室を目指しています。

美容師

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子供のころ、美容室が大の苦手でした。なりたい髪型を上手く美容師さんに伝えられなかった。「大丈夫です」といって満足したふりをして家に帰る。鏡に写る自分の姿が思ったスタイルと違うので自分で髪を切っていました。そんな私を美容師になりたいと思わせてくれた人がいたんです。

それは、楽しく切ってくれる知り合いの美容師のお姉さん。その方だったらなんでも話せたんです。キラキラ見えて「いいな、お姉さんみたいな美容師になってみたいな」そう直感で思ったのが美容の道を目指したきっかけでした。

キラキラ輝いてみえた美容師の夢でしたが、現実は厳しい世界でした。

朝から夜まで働いていたアシスタントのころは想像以上に過酷。最初に働いた美容室は「先輩の技術は見て覚える」という方針だったので、先輩の後ろについてがむしゃらに技術を学んでいました。シャンプーなどの技術テストに合格するとお客さまに入らせてもらえる機会が増えていくので、なんとかテストに受かるために毎日努力をし続けました。

それでも、どんなに頑張っていても高校生のころに思い描いた美容師の姿ではなくて。今思えば、基礎知識や理論もわからずに先輩の見よう見まねでカットなどをしていたので、自分の技術に自信がなかったんだと思います。どこか心の中でお客さまに申し訳ないなという気持ちがずっとありました。

このままではいけない。もっと自分の技術に自信を持ってお客さまと向き合う為に、美容師の基礎や技術をもう一度学び直せるサロンへ転職。

30代が見えてきたころにようやく自信を持って、美容師としてお客さまと向き合えるようになりましたね。その時に学んだ知識や骨格に合わせたカット、カラーを学んだおかげで今すごく活かせているんです。

例えば、ウィッグを使用されるお客さまに、パーソナルカラー診断や、お顔の輪郭を見ながら似合わせの提案をすると、意外といままでしたことのないカラーですごく華やかな印象になったり、お客さまも挑戦したことのない長さのスタイルがとってもお似合いだったり。そこにすこしカットをするだけで、よりお客さまに溶け込んだ自然なヘアスタイルになっていく。そしてお客さまが鏡を見て笑顔になった瞬間は、美容師として自信に繋がりますし、なによりすごく嬉しいです。

一期一会

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実は、私はロカに入ってから医療用ウィッグに出会いました。
それまではいわゆるファッションウィッグに触れる機会があっても、抗がん剤治療や脱毛症などが原因で着用するウィッグは初めてでした。乳がんの基礎知識を学ぶことができるピンクリボンアドバイザーの試験を受けたり、皮膚科との繋がりを持つうちに、驚いたことがひとつあります。それは、医療用ウィッグを必要とする人の数。

正直、初めは不安でした。「大切な髪の毛がなくなる」というセンシティブなことに対して果たして美容師としてどこまで受け止めきれるのだろうと。

突然、抗がん剤治療をすることになり、ロカを見つけて遠方から来てくださるお客さまもいます。ウィッグ探しからお手伝いさせていただき、発毛後のカットをさせていただいて。「誰かにシャンプーしてもらったのはいつぶりなんだろう」とつぶやいたお客さまの言葉。不安な気持ちとは裏腹に、想像以上にお客さまに喜んでいただき、そして日々の美容室の仕事として当たり前のことが、お客さまにとっては感動的な出来事になるんだと気づかされました。「これで安心して治療が受けられる」とおっしゃっていただくお客さまの笑顔に私も笑顔になりますね。

そして「地毛も無事伸びてきたから地元の美容室に戻るね。今まで本当にありがとう」。そう言って日常に戻っていくお客さまの姿を見ると、寂しさ以上にとても嬉しくなります。しかし、なかには「またお世話になります」と再びご来店いただくお客さまも。美容師として涙は堪えるべきなんだろうけど、お客さまのこれまでを考えると堪えきれなくて。お客さまと一緒に泣いてしまうこともあります。

時には、私の力不足でお客さまのお気持ちに寄り添いきれなかったと自信をなくしてしまうことも。どうお声がけをしていたらもっとお客さまに安心していただけたのか。カットの技術はすればするほど自信が積み重なるのに、接客は未だに答えがでません。

そんなお客さまとの日々から教えていただいた大切なことがあります。病気と診断されてからロカに来てくださるまで、どんな葛藤した思いで、どんな勇気をもってドアを開けてくださっているのか。お客さま一人ひとりどんな思いでロカに来てくださったのか。その思いを忘れないことだと。

これからやってみたいことはたくさんあります。例えば、シャンプー台が他のお客さまに見えないような個室だったら、脱毛症のお客さまなどが美容室にご来店してシャンプーもできるのではないかとか。そのときにヘッドスパとかも気軽にできたらとてもいいですよね。

「美容」「健康」「医療」この3つがサロンの軸で、交わったところの先にロカがあります。お客さまとの縁に感謝をしながら、どんな理由でご来店いただいたとしても、美容師として力になり続けたい。そして、髪の毛のことだけではなく、どんな相談も気軽にしていただける美容室であり続けたいです。

writer:Naito Shiho

メッセージ

ステキな日々のためにウィッグで笑顔に!笑顔を一緒にさがしましょ