TOPみんなでつくるリネアストリアウィッグは、わたしと咲く。みーな「患者様に寄り添いたい。」

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着用ウィッグ:天使のシャルムカール

中学生のときに志した夢を叶え、看護師として血液腫瘍内科に勤務。看護師に就いて2年目に脱毛症となりウィッグと出会う。
自分が脱毛した経験を活かし、抗がん剤治療における脱毛の症状を抱える患者さまの気持ちに「寄り添い」支えている。

血液腫瘍内科の病棟勤務

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中学2年生の頃に、看護師になりたいと思い、夢を叶えて4年が経ちました。2年目に脱毛症になり、今はリネアの天使のすっぴんショートをつけて勤務しています。なりたいと思った職業になって、思ったよりしんどいことも。でも支えてくれる上司や頼ってくれる後輩がいて一緒に乗り越えていく。とてもやりがいのある仕事です。何より患者さまの命のそばにいさせてもらっている、看護師になって良かったと思う毎日です。

アピアランスよりまずは命

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私が勤務しているのは血液腫瘍内科と言って、抗がん剤や放射線治療を受けれらる方、白血病などがんの患者さまが多いところです。血液のがんは、ほぼほぼ抗がん剤に頼るしかない方が多いので、その分抗がん剤の量もすごく多くなってきてしまうんです。そして、骨髄移植という、抗がん剤で悪い細胞を弱らせた後に、良い細胞を移植するという大きな治療をされる方もいます。そういう方は3、4か月という長期の入院、そして無菌室という特殊な環境で過ごされることになります。今はコロナの影響で、家族との面会も全面禁止になったので、医療者にしか会えない。患者さまもすごくストレスが大きいと思います。抗がん剤の副作用で脱毛されている方やウィッグを使われている方も多いですが、医療者としては、脱毛よりも命にかかわる感染症の方が優先になってしまいます。ウィッグのパンフレットもご用意はさせてもらっているんですけど、アピアランスということよりもまずは命。というのが私の携わっている医療現場の現状ですね。

人を支えることが好き

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看護師になったのは祖母の存在が大きかったと思います。一緒に暮らしていた祖母は、薬剤師になりたかったということもあり、それを私に託している感じがあって。その影響で看護師を目指しました。大学ではすごく勉強しましたね。そんな中でも好きなこともやりたくて野球同好会のマネージャーをしていました。看護師ってマネージャーをしてた人がとても多いんです。人を支えるっていうところで看護師とつながるところがあるからかな。

「あ、自分に戻れた」という感覚

みーな様の写真

看護師になって2年目くらいの時、先輩に「髪抜けてるよね」って言われたんです。なんとなく抜け毛が多いなと思っていたけど、後ろだったので自分では気づいてなかったのでショックでしたね。でもなんとなく隠せる範囲でとまるかなって思ってたんです。それがみるみるうちに抜けていって、まさか自分がと思っていたこともあり衝撃でした。

脱毛したのは仕事がしんどいからかなと思ったり、このまま働くことでまわりのスタッフや患者さまに迷惑をかけることになってしまうんじゃないかと不安でした。でもできることなら看護師を続けたかったんです。そんな時、一緒に働いていた先輩が自分も脱毛症になったことがあるという経験を話してくれました。そして上司は「休みたかったら休んでもいいし、気になるならウィッグかぶってきていいよ」って言ってくれたんです。ショックな気持ちに寄り添ってくれたこと、働き続けていいよって受け入れてくれたこと、本当に嬉しかったです。

それからウィッグをかぶり始めました。最初は、どうせ自然にならへんやろうって諦めてる部分もあったんですけど、リネアのウィッグをかぶってみたらとても自然で、「あ、自分に戻れた」って感じがして、支えてくれる仲間と、頑張る力をくれたウィッグに感謝です。

それまでは患者さまに抗がん剤の副作用のひとつとして、脱毛について説明していました。でも私も髪が抜けるというショッキングな経験をし、患者さまは命をかけた治療の中で副作用として抜ける。私は髪が抜ける病気で全く違うけれど、患者さまもこんな気持ちでかぶっていらっしゃるのかって知ることができました。もちろん治療や命のことがすごく大事だけど、ウィッグのことももうちょっと頑張って説明してあげたい、脱毛するショックな気持ちに寄り添ってあげたいって今は思います。私は脱毛症を通してウィッグと出会えてよかったなって思っています。

看護師としてのやりがい

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大学では体のことはもちろん心のことも勉強しました。その中にショックを受容していくプロセスというのがあって、重い病気の告知を受けた後は心が沈んで物や人に当たってみたり、逆にとじこもってしまってしまう。それを経て1、2か月すると立ち直って上を向いていくという方が多いというものです。病棟では、長い方だと3、4か月一緒に過ごすので、その間に患者さまからなんでこんなに怒られるんだろうということもあります。そこで言い返すのか、受け止めるのか、ある時学校で習ったこととつながったんです。患者さまのがんと、私の脱毛は違うかもしれないけれど、私自身もショッキングなことを経験したから。患者さまが乗り越えるしかないところはあるけれども、私も辛い時に寄り添ってもらって乗り越えた。だから私も患者さまに寄り添いたい。一緒に乗り越えたいと思っています。

最初の頃は、「寄り添う」って、「ただ共感する」ことと思っていました。でも3年目を過ぎて病気の仕組みや体のことがさらに分かってくると、「寄り添う」は、患者さまの言葉になんでもうんうん言うことじゃないんだって気づきました。受け止めつつ、ちゃんと正すことも「寄り添う」ことだって。患者さまが外出したいって、その気持ちはすごく分かる。痛いほど分かるけど、感染のリスクが高い今は、絶対ダメですよって伝えなきゃいけない。これも「寄り添う」ことのひとつだって。

長い治療を終えられて患者さまが帰られる時はすごく嬉しいです。入院中はパジャマで過ごされ、帰る時にはおしゃれをして、お化粧をしたり、ウィッグをかぶって「ありがとうございました」って言ってくださる姿を見るとすごく嬉しいです。さよならが嬉しいって感じです。退院後に通院はされるけど、元気でねって、帰ってきたらあかんよって、送り出す時が一番うれしい瞬間ですね。

最期のお手伝い

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終末期の患者さまの中には最後に過ごす場所としてお家を選ばれる方もいます。その方には、もう会えないけど、「お大事に過ごしてくださいね」「ちゃんと家族の人頼ってね」と送り出します。

最期の瞬間にウィッグをつけられる方もいました。40代くらいのお母さまが亡くなられた時、高校生のお嬢さまと一緒に、最後のメイクをご一緒させていただきました。メイクをしたことがない子だったので「こうやってするんだよ。お母さんが最後に教えてくれてるね。」って言いながら。そしてお嬢さまは「お母さんウィッグつけてたからウィッグもつけてあげたい」って。ご家族にとってウィッグをしている姿がその人らしい姿なんだろうなって気づきました。そして、お母さまもおかえりなさいって言ってもらえる瞬間はキレイでいたいだろうなと思うんです。自分がウィッグを使ってるからこうしたらうまくいくっていうのもわかるので、そこは私だからできるところなのかなと思い精一杯させていただきました。こんな風にウィッグって患者さまの最期にも寄り添ってくれるんですよ。

患者さまとの時間がたとえ1週間だったとしても、これからも患者さまがしんどかったり、格好つけられないとき、そして人生の最期にさえも寄り添いたい。看護師という仕事が大好きです。

writer:Naka Kokoro

メッセージ

ウィッグはその人らしさを取り戻す大切なツールだと思います。ウィッグに出会えて良かった