TOPみんなでつくるリネアストリアウィッグは、わたしと咲く。HAL「私自身楽しいと思える道に」

着用ウィッグ:ミニマムショート

福祉関係以外の企業に転職したが、福祉に戻りたいという思いから高齢者施設にて再スタート。しかしハードな業務と自身の責任感の強さから脱毛症に。
ウィッグと出会い、現在は事務職として高齢者介護施設に就職し、利用者の方々の生活のサポートをお手伝いしながら、毎日充実した日々を過ごしている。

髪の毛が抜けていく

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「このままつけて帰ります。」
リネアストリアのサロンを後にする時、スタッフの方にそう伝えたことが、自分でも驚きでした。数時間前まで抱えていた不安は、いつの間にか消えていました。何度も引き返そうかと迷いながら歩いて来たサロンまでの道のりが、まるで別の道のようにキラキラ映って見えました。

春の風に吹かれ、なびく髪。脱毛症で髪をなくして以来、久しぶりに感じるこの感覚。電車の窓、エレベーターの鏡、街に映る自分の姿を見る度にとてもうれしかった。

その春は、いつもより抜け毛が多く少し不思議に思ったんです。調べてみると「人間にも換毛期があり春には抜け毛が多くなる」という記事を見つけ「へー」なんて納得していました。しかしそう思ったのも束の間、手ぐしのたびに全ての指に髪の毛が絡みつき、お風呂に入るといつもの何倍もの髪の毛が流れていきました。

「どうなっていくんだろう」
先の見えない不安と恐怖。それから1カ月も経たないうちに髪の毛のほとんどが抜けてしまいました。

福祉とわたし

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高校で介護福祉コースに進学し、幅広く福祉について学びました。授業では実習もあり、長い時だと5週間、同じ施設で学ばせてもらいます。おじいちゃんが食事前に入れ歯をはずす姿や、おばあちゃんにお孫さんと間違えられたりと、初めてのことに戸惑うことも多くありました。

それでも、利用者さんから可愛がってもらいながら過ごす5週間はあっという間でしたね。
他にも、障がい者就労施設や知的障がい児の放課後デイ施設などにも実習に行きました。
卒業後は障がい者就労施設に就職し、その後販売職にもチャレンジしました。でも「やっぱり福祉に戻りたい」という思いが募り、高齢者施設で再スタートを切りました。

卒業して数年経っていたこともあり、食事や生活面での介助など、学校で学んだことを思い出しながらの毎日。夜勤もあり、着替えの介助や巡回、ナースコールの対応をしたりと、夜間も仕事が盛りだくさん。夜中にオムツ交換をしていると認知症のおばあちゃんから「あんた生きとったんやね〜」と言われて「久しぶりやね〜」と話を合わせるなんてことも。
もともと寝つきが良くなかったけれど、夜勤をするようになり、眠るまでの時間がさらにかかるようになったんです。夜勤前に寝ておきたいのに眠れない。夜勤明けで疲れているはずなのに眠れない。そんな日々が続くようになりました。
でもなぜか、眠れていないはずなのに仕事に行くと元気に動きまわれるんです。眠れていないと思っているけど、本当は寝てるのかな?次第に昼と夜の境目が曖昧になっていきました。

心が壊れてしまった

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眠れているのか、眠れていないのか、もう自分では分からなくなっていました。「夜勤してるんだし、仕方ないか」
そう思いながら、その日も夜勤の準備をしていました。準備ができて玄関のドアまで来たとき、体の中からアラート音が鳴り響いたような感覚になり、涙はとめどなく流れ、体が動かなくなってしまいました。

「夜勤行けない」「わたし、壊れてしまった」
そう直感しました。とにかく今日は休もう。会社へ連絡し、病院へ向かいました。先生から「生活リズムを整えるように」と言われ、少し休暇をもらうことになりました。

体を休めると、少しずつ眠れるようになりました。しかしそんな矢先、抜け毛の多さに違和感を感じるようになったんです。気づくと肩の上にたくさんの髪の毛が乗っていたり、朝起きると枕にびっしりと髪の毛がついていたり。明らかにおかしいと感じ、見てみると500円玉くらいの大きさの円形脱毛が見つかりました。最初は隠せる範囲でしたが、脱毛は止まらずあっという間に全体に広がっていきました。

髪が抜けていくことが、本当につらかった。髪を洗う度に排水溝が髪の毛で真っ黒に詰まるんです。シャワーが怖くなってドライシャンプーにしたけれど、それでも残酷なほどの髪が抜け落ちていきました。ドライヤーをかけると床一面を埋め尽くす髪の毛。洗面所の鏡やベランダのガラス戸、水を飲むグラスにも否応なく自分の姿が映し出され「こんなの私じゃない」と何度も叫びそうになりました。もう耐えられない。自分で髪を切りました。ベリーショートに、バッサリと。心が少し楽になりました。

ウィッグとの出会い

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脱毛は止まる気配を見せず「このままでは外に出れない」そう思いウィッグ屋さんを探していた時にリネアストリアを見つけました。良さそうだなと思いつつも、自分もあんなに違和感なくかぶれるのだろうか?と。なかなか購入に踏み切ることができなかった。
サロンで試着できることを知り、予約を取ってみることにしました。当日、帽子を目深にかぶって、恐る恐る開けた扉。スタッフの方にも頭を見られることが怖くて、試着するときは一人にしてもらいました。
いくつか目の試着の時、鏡の中に以前の私が現れた気がした。脱毛症になる前の私。

鏡の中の私は微笑み、大丈夫と言ってくれているようでした。涙がこぼれました。
ウィッグと出会い、仕事にも復帰しました。今は事務として高齢者介護に携わっています。利用者さんとおしゃべりしたり、現場での経験を活かしてサポートできる日々にとてもやりがいを感じています。
入居されている方は、80代から100歳を超える方までいらっしゃるんですよ。それだけの長い時間を生きてきた人生の最後に携わり、生活のサポートを私たちにお任せいただく。とても貴重なことだと感じています。介護職は薄給だとか、しんどいとよく言われますが、こんなにも尊い仕事に長く関わらせてもらっていること、今はとても感謝しています。

不眠症になったとき、病院の先生との会話で、印象に残ってる言葉があるんです。
「責任があるからね。自分の、人生に対する責任だよ」
その時私が感じたのは「そうか、私の人生は誰にも託せないんだな」ってことでした。誰かが私を労わってくれるかもしれないし、誰かが私を幸せにしてくれるかもしれない。でも私を一番労わったり、一番幸せにする責任があるのは、私自身なんじゃないかなって、そう思ったんです。
ストレスの感じ方は人それぞれ。だからこそ自分の「つらい」「しんどい」に気づける自分でいたいな。もちろん「楽しい」「心地いい」も感じながら、自分が楽しいと思える道にこれからも進んでいこうと思います。

writer:Naka Kokoro

メッセージ

たくさんおしゃれを楽しんでいます。ウィッグは新しい私に出会わせてくれました。災い転じて福となす!