脱毛症の方へ脱毛症ご経験者様エピソードmitan様

脱毛症
ご経験者様エピソード mitan

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mitan

4才で脱毛症を発症後、全身の脱毛症へ。脱毛症の治療で受けたマッサージがきっかけで按摩マッサージ指圧師になる。現在、2児の子育てをしながら、治療院勤務。オンラインセルフケアレッスンも行う。

Episode1

幼少期

幼稚園時代

幼少期のころ、鏡に映る髪のない自分の姿を見て泣いていました。
「どうして私はこんな頭なのだろう」と。

幼稚園にはオーダーメイドのウィッグを付けて通っていたのですが、この時のウィッグはとにかく毛量が多く、頭を隠すために被るようなおかっぱのウィッグを使用していました。
顔回りを髪の毛が覆う状態だったので、視界が狭く、窮屈でした。

ウィッグを使い始めた当初から、母もウィッグが取れないか心配してくれていて、内側に両面テープを貼り、ウィッグの上からカチューシャをし、さらにはウィッグにあご紐をつけ固定をして、ウィッグが取れないようにしていました。

ある日のこと、自宅の洗面器に茶色い液体が入っていて、中に平ゴムが沈んでいたんです。
まさか!?と思いましたが、わざわざゴムを肌色に染色し、ウィッグの左右のこめかみ部分に、あご紐として縫い付けてくれていたのです。ちなみに茶色の液体の正体は、濃い目に煮出したお茶でした(笑)

そんな母の気遣いもあり幼稚園ではかけっこをしたり、運動会にも出ることができました!

幼少期に感じたこと

母が私の病気のことで泣いている日がありました。そして私に「ごめんね」と。

元々、子供の頃は大人しい方でしたが、その出来事から悲しい時や嫌なことがあった時、その気持ちを周囲に伝えることが出来なくなってしまいました。
自分が悲しんだら、周りが悲しむと思ってしまったのです。

もちろん、両親はいつも悩んでいた訳ではなく、愛情を持ち明るく私を育ててくれました。当時は脱毛症当事者の方との繋がりがなく、親は自分の辛い気持ちを吐き出すところがない中、私と一生懸命に向き合っていたのだと思います。

特に小さいときは、親がそばに居てくれると、とても安心しますよね。
子供は人と関わる世界が小さく、親との関係がとても密なので、親の気持ちにとても敏感だと思います。
自分の病気のことで悲しんで欲しくないのはもちろんですし、親には側でただ笑っていて欲しいと思うと思います。

親も時には感情が溢れてしまうこともあるかもしれませんが、この病気をなんとかしてあげたいという思いだけにとらわれず、親子で過ごす楽しい時間を大切にして欲しいです。
世界は楽しくて、自由に好きなことをして良くて、自分がありのままで居ていいんだよということ、そんな風に素直に感じとれる子供の気持ちを大切にできたら良いですよね。

Episode2 小学生時代