抗がん剤治療中の方へご経験者様インタビューSoraさま
Model Interview

素直になること。
思いをきちんと伝えること。

発覚

最初はお腹がびっくりするぐらい大きくなって。それで何かおかしいと思ったんです。いろいろ調べてると、子宮筋腫とか出てきて、これかなって。
その時はそれなら大丈夫かなって思ったんです。
痛みもなかったし、お腹が出てるから腰がちょっと痛かったくらいで。
仕事も忙しかったし、落ち着いたら病院行けばいいかって。

そして近所の病院へ。すぐ近くの総合病院に紹介されて行くと、内診のみで「間違いなく癌です」って言われて。
「うちでは何もできない。癌拠点病院を紹介します。今日中に行ってください。」って。
そこへ行って言われたのは、結構やばい状態だと。
結局、卵巣がんだと分かりました。

2013年2月のことでした。

治療がはじまる

実は私はバセドウ病をもっていて、それも全然治療をしていなかったのですぐにがんの治療はできなくて。まずバセドウ病を治してから、卵巣がんの手術をすることになりました。

実は後から知ったんですけど、先生はあの時いつ破裂するか気が気じゃなかったらしく、でも隠してくれてて、とりあえず転倒しないように気をつけてねって言われてました(笑)

バセドウ病の治療をしながら検査をしたりで1ヵ月が経ち、その時の検査の画像とか見ると、卵巣がすごく大きくなって腸が押しやられていて。
だがしかし全然食欲は衰えず、どこに入っているの?とか冗談も言っていました(笑)

そしてようやく卵巣がんの手術。
その頃は仕事も忙しかったので入院の前日まで仕事をしていました。
2013年3月。卵巣子宮全摘でリンパも切除。肝臓に転移していたので横隔膜と肝臓の一部も切除。
術後10日くらいで組織型が分かって、すぐに抗がん剤を始めました。
TCマンスリー2クールの時点で腎臓にも転移しているというのが分かって。
とりあえず6回やってみてから検査をしたら腎臓部分は消えているけどまた別の部分に再発していると言われて。
お薬を変えるかとかそんな話もあったけど、そうなるとTCが効いてないと判断され、今後使えなくなる可能性が出てくると。
追加でTCを3クール。全部で9クール。

治療中のお仕事

治療の間はお仕事を休ませてもらって。
この時の抗がん剤治療の副作用でいうと、吐き気、味覚障害とかはありましたが 今思えばそんな大したことなかったかなと思います。あんまり感じにくい体質なのかも。

先生は4ヶ月目ぐらいで「仕事復帰したらどう?結構復帰している人いるよ!できるんちゃう?」と言ってくれましたが、今まで結構ツラかったから心の洗濯をしたいと言ったら「あぁ分かった分かった」と理解してくれて(笑)
2014年3月まで1年間休んでその後フルタイムで復帰しました。

再発

2013年12月に治療を終えて。
そこから2年間再発がなければ、再発リスクは下がると言われていたんですが、 2年を迎える少し前、再発が分かりました。

2015年10月。傍大動脈リンパ節切除手術。
再び抗がん剤。TCマンスリーを6クールの予定。
でもTCの中のカルボプラチンでアレルギーがでたので、2クールをした後にカルボプラチンは止めて、パクリタキセル単剤で残りの4クールを。

2016年3月に治療が終了。 治療が終わって翌月には仕事復帰しました。
復帰したと思ったらその直後、2016年7月に再発。傍大動脈リンパ節切除手術。先生の手術がすごくうまくて、10日ほどお仕事を休んですぐに仕事に復帰。

2016年9月から抗がん剤ドキシルとアバスチン(血管阻害薬、分子標的薬)を 6クールで2017年2月まで。
アバスチンは長くすれば生存期間が伸ばせるので、今はその維持療法を2017年3月からしていて、来年まで一年間する予定。

ドキシルとアバスチンの副作用としては、手足症候群で舌が黒くなったりとか。味覚障害もあったけど、たいていの人は絶対に大丈夫な食べ物があったりするのでそれを見つければ楽かなと思います。私はサイダーにアイスクリームを入れるのがよくって、ずっとそればっかり食べていた気がします(笑)
後はアバスチンは血管に作用するので、傷が治りにくくなったりとか鼻血が出たりとか。 この時の抗がん剤治療の時は投薬をしてそのまま仕事に行っていました(笑)

ブログについて

ブログを始めたのは2013年の手術をしてしばらくしてからです。何か記録に残しておこうと思って。
まあ先生は最悪の事態を言うので、最初はきびしい話を色々されて。1年もたないとか。
だから、何かあった時に、まあお母さんが見てくれたらいいかなという気持ちで書き始めました。

たまたまブログ上でいとうくららさんが似顔絵を描いてくれて、お礼を兼ねて卵巣がんのことを書いたら、それがアメブロのトピックスに取り上げられたりしてすごく閲覧されたりとかもありました。

ウィッグについて

最初はリネアじゃないファッションウィッグを使っていました。
長くて絡まるのであんまりでした。
次はまた別のショートスタイルが形が気に入ったので購入して、一回目の治療の時はこれをつけていました。

TCが終わった後、髪の毛が生えてきて地毛にしようと思った時もあったんですが 色々あって、まあウィッグでいいやと思いました(笑)

2016年4月に仕事を復帰したんですけど、その時にリネアストリアの「天使のレイヤーCカール」を購入しました。以降私の定番ウィッグになってくれてます。

メッセージ

最初は誰でもお医者さんの言われるままの治療になると思います。
自分で治療法を探し始めるのはきっと再発した時からかな。

先生との信頼関係ってなかなか難しいと思います。でも先生に何も伝えないまま、「先生が分かってくれない」と思うのはちょっと違うのでは?とも思う。

やっぱり先生と喧嘩してでも「伝えよう、分かってもらおう」とこっちがアクションを起こすことが大事。先生も人間なのでなかなか分かってもらえないと思うんですよね。なんか偉そうに言ってますね(笑)

私の場合、主治医は3人変わってます。先生はみんなキャラが違うんですけど、今の先生が一番誠意があると感じます。
でも今でも結構ひどい事を言っています(笑)
「先生は分かってくれへん!」とか「ああしたいこうしたい!」とか。
ただ、同じ分だけ「ありがとう」って感謝の気持ちを持つ、伝えることが大事だと思います。

先生も人間なので、もしも自分がお医者さんだったらどんな患者さんを見てあげたくなるかな、とか考えてます。
伝えたい事を伝えずにモジモジしてたら先生もやっぱり分からない。先生も忙しいからゆっくり聞いてあげられないってのもあると思うし。

だから今の主治医の先生にも、限られた時間の中で伝えようとしてます。
実は先生の方も「患者さんの気持ちを引き出せてないんじゃないのか・・・」とか悩んでいたらしく、看護師さんにそんな事をポロッとこぼしていたらしいんですよ。
それを聞いた時に、ちょっと泣きそうになりました・・・。
あんまりいじめるのやめようと思いました(笑)

「素直になること」これって大事だと思います。先生に対しても。
何を話しても冷たいように見える先生っているかもしれないけれど、それでもまずは伝える事。それが大事。私の主治医の先生は、質問した事はちゃんと答えてくれます。
もしも自分の肯定できない治療を希望するのならセカンドオピニオンでも転院でもなんでも応援するよって言ってくれます。本当にありがたいなって感謝してます。

Sora’s
HISTORY
治療・ウィッグ・お仕事など
あれこれ

2013年2月 卵巣がんが分かる。
2013年3月 両側卵巣及び子宮全摘出。リンパ節郭清、横隔膜・肝臓一部切除。
2013年3月 抗がん剤スタート。TCマンスリー9クール。吐き気、味覚障害、脱毛などの副作用。
2013年4月 ウィッグ着用開始。
2014年4月 お仕事復帰。
2015年10月 傍大動脈リンパ節切除。
2015年11月 抗がん剤スタート。TCマンスリー2クール。お仕事をお休みする。
2016年1月 カルボプラチンアレルギーのため、PTX(パクリタキセル)単剤4クール。
2016年4月 天使のレイヤーCカール購入。
2016年4月 お仕事復帰。
2016年7月 傍大動脈リンパ節切除。
2016年9月 抗がん剤スタート。PLD+BEV(ドキシル・アバスチン)6クール。
手足症候群、味覚障害、口内炎、鼻血、傷が治りにくいなどの副作用。
2017年3月 BEV(アバスチン)維持療法。
blog. / 卵巣がんになったそらの日常
インタビュー日:2017年4月9日

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