抗がん剤治療中の方へご経験者様インタビューKyokoさま
Model Interview

周りに甘えてもいい。
みんな、助けてくれる。

病気の発覚

男の子が3人いるんですけど、それぞれが中学・小学校・幼稚園に同時に入学だったんですね。すごく忙しくてバタバタしていて。
そんなのがやっと落ち着いて、ある日ちょっと触診をしてみたら胸にしこりを感じたんです。
「これは」って思って近くの病院に行って検査したら、乳がんが見つかりました。そこからすぐ大きな病院を紹介していただいて検査、2ヶ月後には手術していただきました。

子供の頃から病気をしない、学校も休まない。ずっと健康できていただけに、乳がんという重たい病気がわかって最初はショックでした。
まわりに乳がんを経験している人もいなくて、相談もできなく不安でした。
他の人の闘病ブログとかも読んでいたんですけど、しんどくなってきて途中で読むのはやめて。
手術が決まってからは、考えすぎるよりも先生に任せようと、そう考えていました。

抗がん剤治療と副作用

2015年の9月から抗がん剤治療が始まりました。

副作用で吐いてしまったりとか動けなくなったりとか、そんなイメージだったんですけど、実際には吐いたりとかは私は一度もありませんでした。
ちょっと気持ち悪いとかお腹が痛いとか、そういうことはありましたけど、子供達のこともしなきゃいけなかったので、それで気がまぎれたのかもしれません。

ACが終わって、二つ目のドセタキセルが始まって、手足の皮がベローンってむけました。
ある時は足の爪が布団にあたるなと思ったら、親指の爪もベローンとむけたり。下からすぐ次の爪が生えてきえていたので痛くはなかったんですけれど。
抗がん剤をしてから2〜3日は手がピリピリして、包丁を持つ時なんかも痛かったです。
一つ目のACの方がしんどいよって聞いていたんですけど、私はドセタキセルに変わってからの方がしんどかったです。

抗がん剤が終了して、ホルモン療法が始まりました。
のぼせとか火照りとか急に汗をかいたりとかはありました。

脱毛と発毛、ウィッグ

最初はゴソッって抜けてショックだったんですけどその後面白いように抜けるので。
髪の毛、ないと不便なんですけど、なきゃないで洗うのとかは楽だなとかも思ったり(笑)
髪の毛を切ることはできるかもしれないですけど、毛根から抜けるのは人生でもそう経験できることではないので、私、今いい経験してるのかもしれないって、前向きに考えて(笑)
考えてもしょうがないし、っていう感じで、うん。

ウィッグも最初はどこのウィッグがいいのか分からなくて。
有名な大手のところは高いし、できれば値段の安いところで使いたいと思っていました。
リネアストリアさんのウィッグを使ってからは、すごく自分に合っていて、お値段も安いなと。
美容院に行って髪を染めたりとかしている事を考えると割りに合うなと思って、いくつもいくつも色んなスタイルを購入しました(笑)
私は周りに病気のことも公表していたので、髪の毛も長い時もあれば短い時もあるからねって。びっくりしないでねって(笑)

抗がん剤治療が終わって、髪の毛が少しずつ生え始めました。
最初は手にジョリジョリって感じるくらいから、もみあげとかは伸び始めて。ちょっとくるくるしていますけど。
でも前髪だけは密度も少なくて伸びにくいなと思います。
2017年4月にウィッグ卒業しました。若い方よりは少し時間がかかったかな(笑)

乳がんになって変わったこと

乳がんになって変わったことのひとつとして、自分のことを考える時間がまずできた、というのがあります。
それまでが、「自分のことよりも家族の事」を優先しすぎていたのかもしれません。
家族にも「助けて」って素直に言えるようになったかな、って実感しました。
自分の両親にも今まではあまり頼ったりしていなかったんですが、今は素直に「こう困っているから助けて欲しい」って言いやすくなったり。

子供には病気の事はすぐに伝えました。
もちろん年齢差があったので、長男にはこういう病気になったからってストレートに。
次男と三男はまだ小さいので、ここに悪い虫がいるから胸も取っちゃたんだよって話をして、今まで通り子供たちと一緒にお風呂に入ったりしていました。
上の子は洗濯物をしてくれたり、下の子たちには片付けを手伝ってもらったり。買い物に行っても荷物を持ってくれたりして、「あ、優しいな。こんな子だったんだな」って思ったりとか。

主人ですか?よく病気になったら旦那さんが優しくなったとか聞きますけど、羨ましいですね(笑)
でも特別扱いをせずに、今まで通り普通に接してくれます。

私は周りに病気の事を公表していたんですね。
子供の学校や習い事でつきあいのあるお母さんたちみんなに、こういう病気になったからって。
周りのお友達に助けてもらえる事もすごく多かったです。
そして「検診行ってないよりは行ったほうがいいよ」とか「自分はこうだった」っていう話も全部していました。
なかには私の話がきっかけで同じクリニックに行ったら、乳がんが見つかったって方もいらっしゃって、すごく感謝されたり。
他のお友達でも、病気って分かっちゃったんだけどこれからどうすればいいかなとか相談を受けたりすることもあって。

メッセージ

できることなら周りの方に相談して、色々助けてもらえることは助けてもらったらいいと思います。
どうしてもお仕事の関係だったりで隠していないといけない方もいるかもしれないんですけど、病気の事を打ち明けられる状況が整えば、お友達だったり周りの人に、甘えていいんじゃないのかなと思います。

インスタグラムには、たまーに今日は病院の日ですとかを載せています。
手術をするとドレーンポシェットっていって、管を入れてずっと肩から下げるポシェットをするんですけれど。
病院のってかわいいのがなくって。
それを手作りして寄付したりとか。自己満足かもしれないですけれど(笑)

Kyoko’s
HISTORY
治療・ウィッグ・お仕事など
あれこれ

2015年5月 病気がわかる。
2015年7月 左胸全摘手術。
2015年9月 抗がん剤(AC)治療スタート。副作用で脱毛、爪の変色。
他社でウィッグ購入。
リネアストリアでウィッグ購入。
2015年12月 抗がん剤(ドセタキセル)治療スタート。
手足の皮や爪が剥ける。
2016年2月 抗がん剤終了。ホルモン療法(ノルバデックス)スタート。
2017年1月 右胸(健側)吊り上げ手術。
2017年4月 脱ウィッグ。
2017年8月 左胸自家組織による再建手術予定。
インタビュー日:2017年6月24日

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