人工毛ウィッグのつや・光沢を消す方法
ウィッグのつやが気になることはありませんか?
特に人工毛(ファイバー素材)のウィッグではが頭頂部や前髪部分のつやが気になって…という方も多いのではなでしょうか。
そこで今回は、人工毛のつやをけす方法と、人工毛はなぜつやがあるのか、さらにはリネアストリアが人工毛のつやに対してどのように取り組んでいるのかをご紹介します。
人工毛につや・光沢がある理由
人工毛に「つや・光沢」がある理由ずばり光の反射が原因になります。
どういうことかというと、人間の髪の毛には、うろこ状のキューティクルと呼ばれる角皮に覆われており表面に複雑な凹凸があります。
なので、人間の髪の毛は自然光や照明の光が当たっても光がダイレクトに反射せずに分散されます。
しかし、人工毛(ファイバー)というのは、一般的には表面がなめらかなので光をダイレクトに反射してしまいます。
そしてその反射する光が「つや・光沢」そのものとなります。
では、人工毛にも凹凸をつけ光が分散されて反射するようにすればいいと思いませんか?
人工毛のつや・光沢だけに関して言うと事実にその通りなのですが、実はここで別の問題が発生してしまいます。
それは、凹凸を作った人工毛はとても「絡みやすい」ということです。
人工毛のファイバーに凹凸を作ると、つやが軽減される一方、凹と凸がひっかかり、ウィッグが「絡みやすい」という問題が発生してしまうのです。
この「つやと絡みやすさ」を両てんびんにかけ、各社メーカーが様々な改良品を展開しているというわけです。
リネアストリアでは、単色のカラーでも数色の人工毛をブレンドしたり、人毛をミックスするなどして「つや」の軽減を追求しています。
さまざまな人工毛の種類
人工毛と一口にいっても色々なメーカーが発売しています。
いくつか挙げてみると・・・
日本のカネカ社が出している「カネカロン」
さわった感触が人毛に近い(私たちは「タッチが人毛に近い」といいます。)のと、難燃なので、世界で一番有名です。
難をいえばカラーバリエーションが、アフリカ系アメリカ人の方の肌の色に合う向けで、日本人やアジア人の肌の色にあう色が多くない、ということかな。
また、一口にカネカロンといっても色々な種類があり、それぞれに細さ、カラー構成、絡みやすさなどの特徴があります。
韓国製のファイバー「U」
これも世界中で広く使われているファイバー。
カネカロンよりも安価です。
「U」の中にも色んな種類があり僕個人的には、人工毛を指で挟んだ時の反動の強さが、ちょっと髪の毛っぽくないな、という気がしています。
韓国製のファイバー「P」
あまり有名ではないですが、カラバリはアジア人の肌向けです。
とにかく光沢が少なく、マットなファイバーです。ちょっと絡みやすいのでブレンドして使う感じ。
中国製のファイバー「H」
コスプレなどでも使われているだけあって、かなり色数が豊富です。しかも安価。
光沢も抑えられていて悪くはないのですが、かなり燃えやすい(非難燃)なのは心配です。
他にも日本製ファイバーのTや韓国製Sなどもよく使われています。
人工毛のつやに対してLINEASTORIAの試行錯誤
上記でお伝えした理由により、人工毛で「つや・光沢」をなくすことと、からみにくいクシ通りの良さを両立させるのは難しいのですが、LINEASTORIAはこれを実現させるために色々な取り組みをしています。
色々な人工毛を混ぜる
人工毛それぞれに特色があるので、LINEASTORIAではどれか一つのファイバーを100%使用するということはありません。
色々な人工毛を色々なブレンド比率で混ぜて使用しています。
人工毛はそれぞれ表面の形や太さも違いますので、あえて不揃いにすることによって、光の反射をおさえて光沢の軽減を狙っています。
色々な色を混ぜる
色を混ぜる時も、単色をそのまま使うのではなく、いくつものカラーを混ぜて使用しています。
人工毛に染色する
一番テカリや光沢が目立つ頭頂部にプリン染色を施すことによってもテカリを軽減することが可能です。
人毛をミックスする
人工毛に少しの人毛を混ぜることによって、こちらも不揃い感を出してテカリの軽減を狙っています。
他にも色々な工夫をしているのですが、多分に企業秘密の部分が多いのでこれくらいにしておきます。
一つ言えるのは、人工毛の光沢・つやの軽減とウィッグの絡まりにくさの両方をLINEASTORIAは追求しているということです。
つや・光沢のないファイバーの選び方
つや・光沢の少ないフルウィッグをお探しの場合は、LINEASTORIAのウィッグをお勧めします。
上記のように、できるだけ「つや・光沢」を軽減し、かつウィッグの絡まりにくさも追求しています。
つや・光沢をできるだけ軽減することを最重要視して人工毛をブレンドしていますので、ぜひご期待ください。
つや消しの方法
つや・光沢が発生する原因が分かったところで、商品の到着後にご自宅でできるつや消し対策をいくつかご紹介しますね。
制汗スプレー(パウダータイプ)
ウィッグでおしゃれを楽しんでいる方のあいだでは有名な「制汗スプレー」を使用する方法です。
制汗スプレーの中でも、パウダースプレーが有効です。
- コスパ
- ★★★★☆
- 簡単
- ★★★★★
- つや消し度
- ★★☆☆☆
- メリット
- 即効性があり、出先でもつや消しができる。
- デメリット
- 持続性が低い。
- 総評
- 制汗スプレーに含まれているパウダーでつやをおさえることができ、持ち歩きもしやすいので出先でもケアしやすいのが魅力です。人工毛の表面にパウダーが付着することで、なめらかな人工毛に凹凸ができ光が分散して反射されやすくなります。
何より使用直前にふりかけるだけというの簡単さが一番のメリットかもしれませんね。
ただ、持続性がないので長時間使用する場合には、数時間おきにスプレーをふりかけた方が良いでしょう。
とはいえ、小さいサイズの制汗スプレーも販売されているので、持ち歩きもしやすく出先でのケアも簡単にできます。
注意するポイントは、制汗スプレーを至近距離から噴出させると、白く固まってしまうことがありますので、必ずウィッグから少し離してスプレーしてください。ある程度全体にスプレーしたら、丁寧にブラッシングしてなじませましょう。
制汗剤はシャンプーで簡単に落とすことができるため、長期的な効果はありません。あくまで一時的な方法として活用してくださいね!
ベビーパウダー
制汗スプレーと同じような理屈でベビーパウダーを使用する方法もあります。
ベビーパウダーは粒子が細かく、ウィッグにまんべんなくつけることでマットな質感になりつやをおさえることができます。
- コスパ
- ★★★★★
- 簡単
- ★★★☆☆
- つや消し度
- ★★★★☆
- メリット
- コスパが良く、香りが良い。
- デメリット
- 粉残りしやすい
- 総評
- こちらも前述の制汗スプレー同様、即効性があるので、急な予定などの時におすすめです。
手やパフに取り少しずつなじませていきましょう。
また、ウィッグの毛色によっては、白く目立ちやすいため、つけた後はしっかり粉をたたきおとすようにすると良いでしょう。
落とす際は、手でウィッグを振りながら、専用のブラシで丁寧にブラッシングするとまんべんなくいきわたらせることができます。
つけ方やつける量など、何度か練習してみてから活用してくださいね。
また、調味料のようにふりかけるタイプのベビーパウダーを使用するとまんべんなく吹きかけることができ失敗を防げます。
ウィッグが絡まりにくくなるので、ウィッグを収納するときにふりかけておくのもおすすめです!
フェイスパウダー
次は、雑誌の撮影などで使用していたテクニック、フェイスパウダーを使用するという方法です。
ベビーパウダー同様、ウィッグのつや消しに有効です。
- コスパ
- ★★☆☆☆
- 簡単
- ★★★★☆
- つや消し度
- ★★★★☆
- メリット
- メイクの準備と一緒につや消しができる。また、使わなくなったフェイスパウダーを再度利用することもできる。
- デメリット
- ベビーパウダーや制汗スプレーと比較するとコスパはよくないかも
- 総評
- 色付きのものだど、ウィッグに色がうつってしまうことがありますので、透明タイプを使ってくださいね!
ウィッグのつや消しだけにフェイスパウダーを購入するのはもったいないですが、もし使い切らずに残っているものがあればぜひ試してみてください。
マット系スタイリング剤
次はマット系のワックスやスタイリング剤を使用する方法です。
つや消しをしつつ、スタイリングもできます。
ベビーパウダーをつけてから使用するとより効果的です。
- コスパ
- ★★☆☆☆
- 簡単
- ★★★☆☆
- つや消し度
- ★★★★☆
- メリット
- スタイリング効果がある。
- デメリット
- ウィッグを洗うのが大変。
手のひらに固めのワックスを少量とり、ウィッグ全体に指を通しくしゅくしゅともみこみます。 - 総評
- ヘアセットとつや消しが同時にできます。
ベビーパウダーをつけてから使用する場合は、ダマにならないようにしっかりとベビーパウダーを落としてから少しずつつけてください。
ロングヘアやボブスタイルなど、長めのスタイルはスタイリング剤をつけ過ぎると、不自然なまとまりや束感がでてしまいますので要注意です。
なるべくさらさら感を維持できるスタイリング剤を使用し、少しずつ様子を見ながら使用してくださいね!
購入後に数回シャンプーをする
ウィッグ購入直後は、特につやが気になる!でも何度かシャンプーするうちに自然なつやになってきたと思われることがありませんか。
次は、ウィッグのケアとつや消しを兼ねた、何度かシャンプーする方法をお伝えします。
- コスパ
- ★★★★☆
- 簡単
- ★★☆☆☆
- つや消し度
- ★★★☆☆
- メリット
-
- ・手軽に可能
- デメリット
-
- ・使用直前にできない(乾かさないといけないため)
- 総評
- くり返しシャンプーをすることで、人工毛の表面を覆っているコーティングがはがれ、つやを落ち着つかせることができます。
シャンプー方法は、「フルウィッグのシャンプー方法」をご覧ください。
注意点としては、ウィッグ専用シャンプーまたはシリコン入りシャンプーを使用することと、ウィッグはデリケートなものなので絡まないように丁寧に優しく洗うこと。
ドライヤーを使うとウィッグを痛めてしまう場合がありますので、自然乾燥か低温もしくは送風でドライヤーすることをおすすめします。
この方法は、他の方法に比べ時間がかかるため、即効性はありませんので、すぐにつやを消したい!という方には不向きな方法かもしれません。
しかし、ウィッグを長持ちさせるために、定期的にお手入れとしてシャンプーすることは重要なことです。
ウィッグのケアとつや消しを兼ねた方法としてご活用ください!
柔軟剤につける
前項のシャンプー後に柔軟剤につけるという方法もあります。
この方法は、ウィッグを絡みにくくする効果もあるため、メンテナンスとして定期的に取り入れるのもおすすめです!
- コスパ
- ★★★★☆
- 簡単
- ★★☆☆☆
- つや消し度
- ★★★☆☆
- メリット
- 香りが良く、家にあるものでつや消しできる。
- デメリット
- 使用直前にできない。
- 総評
- シャンプー後、水に柔軟剤を溶かし、30分~1時間程度浸しておきます。
あまり、長時間浸け過ぎると、傷みの原因にもなりますので、長くても一晩で引きあげましょう。
柔軟剤をきれいに流したら、タオルドライをしてウィッグスタンドにかけて自然乾燥させます。
洗った後は毛が絡みやすいので、丁寧にブラッシングしてください。
強引にブラッシングしてしまうと、痛んだり、毛が抜けてしまったりしますので、毛先からゆっくり少しずつブラッシングすることがポイントです。
柔軟剤を使用することで人工毛を保護し、柔らかく保つことができます!
まとめ
このように、自分でできるつや消し方法はいくつかありますが、あくまでも自己責任で実施することとなり、メーカーが推奨している方法ではありません。
数回シャンプーをする方法や、柔軟剤を使用してのつや消しは、つやの元となっている人工毛のコーティングをはいでしまうこともあり、 痛みや絡まりの原因となることもありますので、説明書などをよく確認してから行うようにしてくださいね。
また、人毛などを使用している高価なウィッグには、これらの方法は活用できません。
あくまでも人工毛のみのウィッグのつや消しとして活用してくださいね!