ウィッグに使われている素材や製法の違いについて

ウィッグが必要になった時、ウィッグについて調べ始めるとたくさんの疑問が湧いてくることと思います。
まずは値段の幅の大きさに驚かれるのではないでしょうか。
数千円のものから数万円、数十万円するものまで様々で、メーカーによって違うのかと思いきや、同じメーカー内でも値段に幅があり、さらに混乱をされることと思います。
そうしているうちに、ウィッグの素材や、内部の製法、既製品やオーダーメイドなどの違いで価格が変わるのか!ということにお気付きになられるかと思います。
そこで今回は、ウィッグの毛の部分に使用される素材である人工毛・人毛・人毛MIXについて、それぞれの特長と、上手な付き合い方について書きたいと思います。
人工毛にいて
人工毛とは、化学繊維で作られた髪の毛のことを言います。
人工毛の性質として形状記憶があるため、スタイルが崩れにくく、着用前のスタイリングが簡単、そしてお手頃な価格で買い替えがしやすいとうことがメリットです。
また、ベーシックなカラーからハイトーンなカラーまでカラーの種類も豊富です!
しかし、一言で化学繊維といっても、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリエステル、ナイロン(ポリアミド)などメーカーによって使用している繊維が異なります。
それぞれの繊維をウィッグにした場合の特長として、大きく、耐熱か非耐熱に分けることができます。
【耐熱】ポリエステル
【非耐熱】ポリ塩化ビニル、アクリル、ナイロン(ポリアミド)
耐熱であるポリエステル製のウィッグでは、コテやアイロン、ドライヤーの使用が可能です。
(※耐熱の場合でも、耐熱温度の表記を目安にお取り扱いください。)
人工毛のデメリットは、人工毛特有の光沢(てかり)があることや、静電気が起きやすく、長期間使用すると劣化し、毛先がチリチリとしてきます。(ピリング現象)
また、人工毛の劣化により、絡まりがでると毛束ができ、不自然な印象になってしまいます。
カラーリングやパーマはできません。
しかし、人工毛は、カラーやスタイルが豊富ですので、きっとご希望のスタイルがみつかるはずです!
耐久年数は、使用頻度によってもことなりますが、約3~4か月が目安です。
耐久年数の短さに驚かれることと思います。
人工毛特有の静電気での劣化を少しでも防ぐことができると多少長くご使用いただけるかと思います。
なお、リネアストリアはすべての人工毛でポリエステルを使用しており、耐熱性です。
また、難燃性のカネカロンをほとんどの製品にミックス使用しています。
(※難燃の場合は、人工毛に火がついても燃え広がらず、炭化し火が消えます。反対に非何年の場合は、速やかな消火が必要です)
人毛について
人毛とは、その名の通り人の髪の毛です。
日本で販売されているウィッグに使用される人毛の多くは、中国やインドなどアジア系の方から集められたものが多く、その毛質やカラーによってグレードが分けられます。
人毛には、7~14層からなるうろこ状のキューティクルが毛髪の表面を覆っており、そのキューティクルが外部の刺激から毛髪内部を守るとともに、髪につやを与えています。
キューティクルは、うろこのように方向性があることから、逆方向のキューティクルが混ざるとからまりやすくなります。
そのため、グレードの低い人毛は化学処理を施し、全てのキューティクルを溶かして使用します。
反対に、グレードの高い、REMY人毛(レミー人毛)は、弱い酸処理を行い、キューティクルを半分以上残します。
キューティクルが半分以上残っているので、耐久性やトリートメントを施した際の回復効果に優れています。
また、殺菌処理のみ行い、酸処理を行わず、キューティクルを100%残すバージンREMY人毛もあります。
さわり心地や自然さ、価格を比較すると、 バージンREMY人毛>REMY人毛>ノーマル人毛の順になります。
人毛ウィッグは、いずれも毛質がしなやかで柔らかく、手触りが良いのが特長で、 人工毛特有の光沢や毛束感がなく自然で、傷んでもトリートメントなどで補修もできます。
人毛であればカラーやパーマを施すことも可能でが、くせがつきやすいので、着用前にブローやスタイリングが必要となります。
耐久年数は、使用頻度によってもことなりますが、約1年が目安です。
そして、人毛MIXとは、人工毛と人毛をミックスしたものです。
人工毛特有の光沢(テカリ)を人毛をミックスすることにより軽減し、また人工毛の良さである、スタイルキープも可能となるのでデザインも豊富です。
人毛100%に比べ、メンテナンスやスタイリングの面でも扱いやすく、初めてのウィッグ選びにおすすめです!
まさに、人工毛と人毛のいいとこどりをしたような毛質で、耐久年数は、使用頻度によってもことなりますが、約半年が目安です。
リネアストリアの人毛MIXは人工毛7:人毛3の割合で配合をしています。
配合率はメーカーにより異なりますので、詳しくは各メーカーにお問い合わせください。
製法について
ウィッグの素材、主に髪の部分をご紹介しましたが、その髪の毛を内部のネットにどのように植える?植毛?するのか、その方法によっても つけ心地や価格が変わりますので、少しだけご紹介します。
総手植え製法
ウィッグキャップに人の手で1本1本植毛してく製法です。
1点ずつ結びつけられているためふんわりと仕上がり、長時間使用しても疲れにくいよう軽くできています。
通気性も良いので医療用として使用されることが多い。
ハンドメイドで製作されるので、マシンメイドに比べ手間や時間がかかる為、コストは高くなってしまいがち。
マシンメイド製法
ミノと呼ばれる、毛の束を機械で植えつけたものをウィッグキャップにつける製法です。
機械で製作するので費用が抑えられ、総手植え製法に比べ安価なことが多い。
マシンメイド製法は主にファッション目的のウィッグに使用される製法である為、人工毛のウィッグが主流ですが、リネアストリアでは、人毛100%のマシンメイドが登場しました!
人毛ウィッグの自然さや柔らかさが魅力だけど、価格がネックで…を思われていた方におすすめしたいのがこちらです!
人毛100%なので、人工毛特有の光沢がなく自然なツヤがでます。髪質もしなやかで柔らかく、肌に当たっても安心です。
また、耐久性もあるので長期にわたって使用される方にもおすすめ!
人毛100%を使用したマシンメイド製なので、品質はそのままに高いコストパフォーマンスを実現!
お手入れについて
ウィッグを購入する上で、素材ごとの見た目の自然さや耐久年数も大事な要素ですが、日々の着用に伴う、お手入れも重要なポイントになります。
そして、ちょっとした心がけや工夫でウィッグを長持ちさせることが可能ですので、そのポイントをご紹介しますね。
人工毛のお手入れについて
人工毛の場合、普段のブラッシングにおいても専用のブラシを使用されることをおすすめします。
前述しましたように、人工毛は人毛に比べ静電気が起こりやすく、その静電気が原因で繊維を傷めてしまいます。
可能なかぎり静電気を起こさないようにすることが、使用期間を長くすることにつながります。
特にプラスチック製のブラシを使用すると、静電気が起こりやすくなりますので、各メーカーが販売している金属製のものを使用すると良いでしょう。
ブラッシング時に人工毛の摩擦を抑え、静電気を軽減できる専用エッセンスなどもありますので活用されるとさらに良いでしょう。
また、シャンプーを行う際は、専用のシャンプーがおすすめです!
ウィッグ専用のシャンプーは、毛材部分だけではなく、内部のネットに付着したニオイや汚れ、油も簡単に除去できます。
泡立ちにくく、泡切れも良いので、シャンプー時間を大幅に軽減できるのもポイントです。
そして、人工毛は速乾性に優れており、熱も傷みの原因になりますので、シャンプー後は、スタンドなどにかけ自然乾燥させることも大きなポイントです。
すぐに使いたいなどで、ドライヤーを使用する場合は、送風にし、ウィッグの内側からかけると良いでしょう。
(髪の部分より内部のネットの方が乾きにくいことと、風が直接当たると髪同士の摩擦が生まれるのを防ぐため)
人毛・人毛MIXのお手入れについて
人毛のウィッグは、シャンプーをすると少しずつ油分が不足していきます。
油分が不足するとパサつきや絡まりの原因となります。
ですので、お手入れの際は、コンディショナーを併用すると良いでしょう。
コンディショナーは、抗菌性・保湿性・油膜性に優れていますので、毛髪の表面にコーティングを形成し、人毛製品特有の枝毛、毛がらみを防止してくれますよ。
シャンプーコンディショナーともにウィッグ専用ではなく、市販のものでも構いませんが、 ノンシリコンシャンプーやオーガニックシャンプーはきしみが出るので、絡まる原因になりますので、必ずシリコン入りのシャンプーを使用しましょう。
また、人毛は水につけすぎるとパサつきやすくなるため、なるべく水につける時間を短縮できるよう、洗浄力が強く、泡立ちにくいシャンプーが良いでしょう。
泡立ちの良いシャンプーだとすすぎの回数が増えてしまうため、泡だちの少ないシャンプーがおすすめです!
お手入れまとめ
シャンプーは、毛材にかかわらず、10回前後の着用でシャンプーしていただくことをおすすめします。
(夏場やニオイが気になる場合は、必要に応じてシャンプーしてくださいね!)
汗や頭皮の皮脂など、汚れの蓄積は、ウィッグの寿命を縮めてしまいますので、定期的なお手入れを心がけると、ウィッグも長持ちさせることができますよ!
リネアストリアでは、人毛100%と人毛MIX商品のメンテナンスサービスを行っています。
「ご自宅でトリートメントしてもキレイにまとまらない」「体調が悪くてスタイリングやケアが難しい」などお困りでしたら、 リネアストリアのスタッフが心を込めてメンテナンスいたします。
チリつきやごわつきが軽減し、ウィッグが美しくよみがえりますよ!
「サービスチケット」
まとめ
素材ごとの特長だけを見ると、結局何が良いのか悩んでしまいますね。
ご自身に合ったものを選んでいただくポイントは、使用される頻度や期間、外せないこだわりを重視していただくのが良いと思います。
何よりご自身の納得のいくウィッグと出会い、素敵なウィッグライフをお送りいただければと思います!