TOPみんなでつくるリネアストリアウィッグは、わたしと咲く。にわこ「どれも本当の自分」

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着用ウィッグ:トムボーイデイリーショート

幼いころから髪が伸びず、同じ悩みをもつ方のドキュメンタリー番組を観て自身が乏毛症だと気付く。
成人式をきっかけにウィッグと出会い、現在もウィッグつけて生活している。

わたしの体質

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私は幼い頃から髪が伸びなくて、細くフワフワしています。当時は、なぜそういう体質になっているのかわかりませんでした。ある日、何気なく見ていたスポーツドキュメンタリー番組で、生まれつき髪が伸びず悩んでいた男の子が出演していたんです。「あっ、私と同じだな」って。それで気づきましたね。この髪に名前をつけるのなら、「乏毛症(ぼうもうしょう)」なんだなって。

でも私は、乏毛症は病気だとは思っていなくて。誰だって体質はみんな違っていて同じ人なんていない。そんな体質のひとつじゃないかな?って。私自身がそう思えるようになったのは、ここ数年だったかな。

感情の壁

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物心ついたときには、なんとなく私の髪は他の子とは違うのかなとは感じていました。幼稚園の周りの子に比べて髪が短かったり、毎日頭皮に薬を塗ってもらっていたり。フリフリした女の子らしい服装や髪に憧れていたのに「なんだか自分に似合ってないかも」「こういう服は髪の長い子が似合うのかな」そんな違和感がありました。髪は全然伸びなくて、男の子に間違われることもあったりして。

ただ当時は、このまま薬を塗ったらみんなのように髪が長くなるのかなと思って。無邪気にお風呂上がり、ドライヤーで髪を乾かす練習もしたりしてて。

でも、いつまでたっても薬の効果は出なくて髪は短いまま。
ある日、ふと鏡に映る自分をみて「そうか、私の髪の毛は、みんなのような髪の毛にはなれないんだな」と薬もやめてしまいました。

人の視線を避けるようになったのは、その頃からですね。頭をみせるのがものすごく怖くて、外では必ず帽子を着用していました。両親は「自然体でいたら大丈夫だよ。気にすることはないからね」と言ってくれてたし、友達からいじわるな言葉を投げかけられることもなかったけど、ただ私だけが気にしていて帽子なしでは過ごせませんでした。

そして思春期の頃。素敵だなと思う人はいたけれど、でもわたしはこんなだから、あの人とは合わないかなと勝手に決めつけてしまって自分の気持ちにブレーキをかけていました。好きになっても傷つくだけだなって。自分の外見にもっと自信を持ちたかった。髪の長い人になりたかった。誰かと自分を比べては、誰にも言えない、ドロドロした灰色の感情が心に積み上がってしまっていて。限界をこえたときには海まで行き、ひとりで泣いていました。

もがく私を支えてくれたのはあるバンドの音楽でした。美しい歌詞のひとつひとつが私という存在を肯定してくれているようで「もう少し頑張ってみようかな」と光が射したんです。

きっかけ

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ウィッグに出会ったのは大学生のとき。きっかけは成人式で、鏡に映るウィッグを着用した自分がまったく別人に見えて。私にとって魔法みたいでしたね。

就職活動は、ウィッグを外しておこないました。社会人になって乏毛症のこと、ウィッグを着用してることを隠したくなかったし、それなら最初から「本当の自分」でチャレンジしてみようと。このチャンスを逃したらずっと髪のことでびくびくして過ごすんじゃないかと思って。決心したものの、ありのままの姿を見られることに、怖くてたまらない自分もいて。笑われないかな、指さされないかな、見た目で判断されないかな。就活担当の方の前で、こらえきれず大泣きしたことを覚えています。

いざ面接になると、私の外見には一切触れずに、ただただ私の内面に興味をもってくれて。「世の中は思ったほど私の外見は気にしていないんだな」と気持ちがすこし楽になったんです。あれほど悩んだ就職活動も内定がでてあっさり終了。

今思えば、号泣するくらいならウィッグでもよかったかなと思います(笑)
それほど当時の私は「自分を偽りたくない」という気持ちにこだわっていたんです。

そんな私がウィッグをつけていても、つけていなくても偽りではなくて自分は自分だと思えたのは、夫との出会いがきっかけです。出会った当時、夫はウィッグ姿の私しか知らなくて、好きになればなるほど不安も膨らんでいきました。ウィッグをしていない姿を見たら、この人は離れていってしまうのでは?いつかウィッグを外さなきゃいけないということがすごくプレッシャーになっていたんです。でも、夫が好きだからこそ聞いてほしかったし、伝えたかった。

「実はウィッグなんだ」と告げたとき、夫は「大丈夫だよ。僕に言うのも、ずっと考えてくれてたんだね。伝えてくれてありがとう」って言ってくれて。ウィッグを外した姿を見ても「生まれたての赤ちゃんみたいだね、そんなことで嫌いになんかならないよ」って。なんだろう、嫌な顔もせず純粋な言葉で言ってくれたのがすごく嬉しくて。私、夫のその言葉に気が抜けちゃったんです(笑)その瞬間に、ずっと思春期に抱えていた「本当の自分とは?」という問いが解けていった気がします。

ウィッグをつけていてもいなくても、あの頃苦しくてもがいていた自分も、自分を偽りたくないと泣いていた自分も、どれも本当の自分で、そんな自分を愛してくれている人が、ここにいるんだと。

日日是好日

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今はウィッグをつけて生活しています。私の場合は生まれつきなんですけど、やっぱり病気でウィッグを必要としている人だったり、いろんな理由があるんだなとウィッグをつけるようになってから思います。まさに今、本当にいろんな理由、気持ちでこのページを見ている方もいると思うんです。なので、ウ ィッグをつかうことに、つかわないことに悩んじゃう方ってまだまだいると思うんですよね。

ただすこしでも行動することで、未来は変わっていくかもしれない。私の場合、見える景色がガラッと変わる、そんな一瞬に出会えました。ウィッグをつけていても、つけていなくても自分は自分。だからウィッグは、他の人の意見は関係なくて、なりたい自分になれる、そんなひとつのツールとして手にとってほしいな。

もちろん今でもまだ思うことはあるのですが、私の場合はこういう体質だからこそ、そう思えたのかなと今は思いますね。

writer:Shiho Naito

メッセージ

生まれつき髪があまり伸びず、外見がコンプレックスだった時、LINEASTORIAさんのウィッグに出会いました。一瞬で別人のようになれる魔法をかけてもらってます。自分に自信がついたのもウィッグのおかげです。感謝