TOPみんなでつくるリネアストリアウィッグは、わたしと咲く。たにぃ「私も誰かの力になりたい」

会社の健康診断で異常が見つかり、その後の精密検査で乳がんと診断される。
闘病中の体調不良で仕事を退職。気持ちが塞ぎ込んでしまう日々だったが、LINEASTORIA MAGAZINEのインタビュー記事をきっかけに心機一転できたことで「自分も誰かの力になりたい」と思いインタビューに応募。

これ本当に治療なのかな

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2019年12月、抗がん剤治療がスタート。2回目の投与が終わる頃から、薬の副作用でムーンフェイスといって顔がパンパンに腫れ上がっていきました。特に目元の腫れがひどく、目を開けていても見えないほどでした。脱毛もあり、髪の毛はもちろん眉毛やまつ毛も全部抜けてしまい、味覚障害に全身の倦怠感。体中の痛みもひどく、起き上がることができない日が増えていきました。

治療すれば良くなると思っていたのに、病院へ行くたびに食欲がなくなり、体力が落ちる日々。「今は見た目よりも治療が優先」と説明されても受け入れられなかった。納得できなかった。治療と上手に付き合いながら日常生活を送るなんて想像すらできなかったんです。

病気の発覚

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それまで私は約10年、保育園でこどもたちの給食を作っていました。最初は調理師の資格を取るための実務経験が欲しくて就いた仕事でした。離乳食から毎日食事を作ってきた子たちが卒園していく。こどもたちの成長をそばで感じられることは私にとってかけがえのない喜びでした。

念願の資格を取得し、これからはさらに調理の細かいことや、メニューを考える業務にも携わっていきたい。そのためにもっと勉強していきたい。仕事への姿勢がどんどん前向きになり楽しさや、やりがいを感じていました。がんの発覚はそんな矢先のことでした。

きっかけは2019年11月に受けた会社の健康診断。受診してすぐに精密検査を受けてくださいと連絡がきたんです。近くの病院へ行くと「うちでは対応できない」とすぐに大学病院を紹介され、そこで乳がんと診断されました。見つかったときには転移もあり、治療までの間を開けることはできず、12月には抗がん剤治療が始まりました。

疲れやすいと感じることはあったけれど、年齢的なものだろうと思っていたんです。それ以外は体調も悪くなかったので「まさか自分が」と、ただただ信じられない気持ちでした。

治療しながら仕事を続けたい

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病気とも、治療ともうまく付き合って仕事を続けたい。そう強く思っていても、体が言うことをきかない。起き上がることができず、仕事を休む日が増えていきました。

度々休むことで迷惑をかけていると分かっていても辞める決断はなかなかできませんでした。これからクリスマスやお正月、節分にひな祭りなど、行事ごとに作る特別メニューの予定も決まっていました。毎日給食を作ってあげたい。喜んで食べてくれるこどもたちの姿をもっと見たい。治療をしながら、仕事を続けたい。もっともっとここで働きたい。

そう思う反面、これからの治療がどのように進んでいくか分からないなか、これ以上一緒に働いてきた方々に迷惑をかけたくない。私の中で思いが交錯しました。
そして悩みに悩んだ末、治療が始まって2か月後、断腸の思いで退職しました。
退職をしてからの毎日は、どうやって1日を過ごしていいのか分からなかった。充実した日々を失った喪失感。薬の副作用で変わっていく自分の姿。鏡やガラスに写る自分を見たくなくて、家でも帽子を深くかぶって過ごすようになりました。退職時に病気のことも伝えていたので、知り合いに会いたくない、外に出たくない。次第に引きこもるようにもなっていきました。治療の日がくれば病院に行く。ベルトコンベアに乗せられているような気分でした。生きているのに、心は死んでいる。

「本当にこれが治療なの?」「本当に良い方向にむかっているの?」信じられない、そんな日々が続きました。
治療はいつ終わるのだろう。この痛みはいつまで続くのだろう。「先が見えない」そればかり考えていました。

私はひとりじゃない

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私の周りには同じような病気の人がいなかったので「なんで私だけ」という思いもありました。心配をかけたくないあまり弱音を吐くこともできなかった。友人にも母にさえも、本当の気持ちは言えませんでした。つらい気持ちを抱えて家にこもって過ごす日々。

そこに飛び込んできたのは「あなたはひとりじゃない。」というメッセージ。ウィッグを購入したときについてきたリネアストリアマガジン。私は自分のモチベーションを上げることにさえ苦戦しているのに、同じような体験をされる方へメッセージを発信をされている。その力強い姿に衝撃を受けました。孤独だと思っていた私の心がとけていく。涙が止まりませんでした。

「ひとりじゃない。」その言葉は、私の背中を優しくさすってくれました。孤独だった私の心に寄り添ってくれました。私のことを知らない方だけど、だからこそ私の心に響いたのだと思います。

心が変わると行動が変わる

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それからの私は今まで「このつらい気持ちはいつ終わるのか」と終わりのことばかり考えていたけれど、少しずつ未来のことを考えられるようになっていきました。まずは外に出てみようと思い、家の周りを歩いてみると、花が咲き、木々がゆれ、木漏れ日が射し込んでいました。「私ってこんな良い所に住んでいたんだ!」とても嬉しい発見でした。今まで家と職場の往復だけの忙しい時間を過ごしていたときには気づかなかったことに気づくことができたんです。きれいなものを見て「きれいだな」って感じられる。今まで凍っていた感情が溶け出し、溢れるように出てきました。

外に出るようになると「お洋服を見に行こうかな」「眉毛のかき方を工夫してみようかな」と意欲も湧いてきました。今まで全然運動をしたことがなかったけれど、ウォーキングを続けていると体力がついてきたので、何か新しいことにチャレンジしてみたいと思えるようにもなったんです。

しんどくなるような思考は手放して、良いことだけを考えるように。もやもやするなって思ったら自分で背中をポンポンってして「次何しようかな」って考える。未来のことを考えるってワクワクしますもんね。

私も誰かの力になりたい

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私も誰かの力になりたい。そう思い、今回このインタビューに応募させていただきました。ここでいただいた恩をお返ししたい、そんな気持ちです。

頑張っている人に「頑張って」と言うと「これ以上どう頑張ればいいの?」と思う方もいらっしゃると思います。でもきっと身近なところにワクワクするようなことはあると思います。きっと手の届くところに。

私がしてもらったように、私も誰かの背中をさすることができればそれほど嬉しいことはありません。 私の経験が勇気を出す一歩になれば嬉しいなと思います。

writer:Naka Kokoro

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