
ウィッグで「私らしさ」を取り戻すことができた Maki
自分の中に抱え込んでいた感情が解き放たれた瞬間でした。
こんにちはゲストさん
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2019年6月、卵巣がんの治療の過程でオストメイトに。
ブログ『あこにっき』にて、同じ境遇の方が少しでも笑顔になれるよう、治療やウィッグのことをイラストやマンガで、分かりやすく情報発信している。
自分が病気になるまで人工肛門について全く知らなかったのですが、ストーマという言葉、これは日本語で言うと人工肛門のこと。そして人工肛門をつけている人をオストメイトって言うんです。
2019年6月卵巣がんによる卵巣と子宮の摘出手術を行いました。手術前にお医者さんからもしかしたら人工肛門になる可能性がありますって説明を受けて、同意書にサインしてくださいって言われたんです。絶対にいやだったので、なんとかならずにすむようにしてくださいってお願いをしました。そして手術へ向かい、目が覚めたら、お腹には手術の傷跡とストーマがあったんです。すごいショックでした。
2018年秋頃、食べることが大好きな私がご飯が食べられなくなったんです。そしてなんだか下腹が出てるなと思うようになり、2019年3月お腹が痛くなって病院へ行きました。その時は便秘かなと思っていたので消化器内科で腸などを診てもらいました。そこで「婦人科かもしれない」と言われ別の病院を紹介されたんです。婦人科で検査したら「卵巣がんの一歩手前で卵巣がふくらんでいる状態、卵巣のう腫ですね」って言われて。まず検査のための手術をしましょうとなり、開いたら「がんですね」って。がんの知識がなかったのでステージ4って聞いた時は生きられるんだろうかと毎日不安で泣いていた気がします。
がんは卵巣以外の腎臓などにも転移していて、卵巣も10センチくらいにふくらんでいたんです。大きすぎると手術したときに負担が大きいから、小さくしてから手術した方が負担が少ないということで1回目の抗がん剤をしました。でもがんは大きくなっちゃって、もうこれは効かないからって手術をしたんです。
手術後1週間くらいは固形物が食べられなくて、やわらかいものしか食べられないので出てくる便も水っぽいものが多くて。そうするとパウチ(つけてる袋)がすぐにびちゃびちゃになるんです。術後は1日寝てることが多いので、1日に1回は看護師さんを呼んで漏れましたって全部着替えさせてもらっていました。ずっとこんな生活が続くのかなって不安でたまりませんでした。
術後の体調が落ち着いて固形物を食べるようになったら、便もどろっとしたものに変わって漏れもなくなりました。最初はわけわかんなくて、便も漏れるし本当に大変でした。
色々失ったことはとても悲しい。できれば手術で身体をいじったりしたくなかった。どうして私が?この体で将来どうなるの?元気な頃を思い出して何度も何度も泣きました。でもある時泣いていたら疲れて冷静になったんです。そして仕事でしていた問題解決の方法を思い出したんです。
治療のこと、将来のこと、たくさんある不安を少しでも軽くしたいから、なんで不安になってるんだろうってことをとにかく書き出してみました。そして自分でどうにかできることと、自分ではどうしようもないことを分けてみて、自分でどうにかできるものは調べきったり行動して変えていく。どうしようもないことは考えきったら忘れる!
書き出してみると、意外にできないことってないって気づいたんです。
ストーマって動いているので形がめちゃめちゃ変わるんですよ。まさに腸ってわかるくらい。食後はぐんぐん動いて大きくなることもあれば、朝起きたては落ち着いて小さくなっていたり、時には10センチくらい飛びだすことも。お医者さんからは「人工肛門つけました」って言われただけだったので、飛び出すってことも、形が変わるってことも知らなかったけど自分の意思とは全然違って動くので見ていておもしろいです。今は落ち着いたのかあまり形が変わることは少なくなってきました。
ストーマ外来にも半年に1回くらい通ってちょっとずつやりたいことを相談して、教えてもらっています。
治療が落ち着いた時に友達と北海道への旅行を計画したんです。飛行機で移動するので気圧でパウチがぱんぱんにふくれて爆発したらどうしようってとても不安でした。お医者さんに相談すると「ちゃんと中身を出してから乗ったら大丈夫ですよ。人工肛門をつけて生活してる人って意外にいるからみんな爆発したら大変でしょ」って言われて。他のオストメイトの方も言われないと気づかないくらい自然に生活されているんだなって思うと不安だった旅行も安心して行くことができました。
こうして生活してみるとできないことってないなって最近思っています。
メイクってがんになる前はめんどくさい、してもあんまり変わらないしやる意味がわからないって最低限しかしていませんでした。
それが抗がん剤の副作用で眉毛もまつ毛もなくなるし、髪の毛もなくなって見た目が一瞬で変わってしまって自分を見たくなくなったんです。どんどんテンションも下がっていって、落ち込むことが多くなりましたね。
でも最初はウィッグをかぶるのも嫌だったんです。テレビで芸人さんとかがつけてるウィッグってすごいわかりやすいから、ウィッグで生活するとあんな感じになるんだと思っていたんです。はじめはかぶり方がわからなかったのでとりあえずかぶって帽子で隠すってやってたんです。でもそれだとめちゃくちゃ違和感があって、どれだけ暑くても帽子も絶対とれなくて。
治療が落ち着いて元気になったときにインスタグラムとかネットを検索してみるとすごい自然にかぶっている人たちがいたんです。ウィッグってこんな風にできるんだって驚きました。それからは自分でもできるかもしれないと思って練習して、自然にかぶれるようになってからは帽子を取れるようになりましたね。
その時に気づいたんです。私はウィッグが嫌なんじゃなくて、違和感のあるウィッグをかぶるのがいやだったんだって。
最初は隠すためのウィッグだったのが、今では楽しいなって思えるようになりました。ウィッグもメイクも、おしゃれって見た目をよくするものだけじゃないんだ。自分のメンタルを整えるためにもできるんだって病気になって気づきました。それからパーソナルカラーのこと骨格のことなども勉強して今では自分の心をあげるためにやるっていう感じになりました。
私ががんになった時、職場の人に伝えたらみんな悲しんでくれて、休職する前にはまた一緒に働けるの楽しみにしてるよって言ってくれたんです。私はネガディブなので今までまわりから嫌われてるかもしれない、そんなに大事にされてないんじゃないかって思ってたんですけど、自分を応援してくれる人がいる。待ってくれている人たちがいるんだって気づいたんです。みんなからもらったものをお返しできるように早く元気になろう!って思うと治療も頑張れましたね。
約1年休職し、復職した時も、みんな大変だったと思うのにとても優しくて、「こっちも元気もらったよ」って言ってくれたんです。自分が元気な姿を発信することは他の人を元気にすることができるんだなって思いました。
私は今、ストーマのことやがんのことについてイラストやマンガで発信をしています。
私ががんって言われた時、どんな生活になるのか知りたくて色んな人のブログとかを見ていると、出てくることってつらい内容が多くて。治療前で私も不安な時にマイナスなものを見ると余計にこわいなとかいやだなとか思ったので、治療しながらでも今と変わらない生活できるよっていうポジティブなことを伝えたくて。私は治療中に文章を読むのが大変だったので、マンガだったらさくさく読めるんじゃないかなとも思っていて。
私が今元気に過ごせているのは支えてくれる人や応援してくれる人たちがいてくれたおかげなので、これからは私の発信が誰かの役に立つきっかけになれば嬉しいなと思います。
writer:Kokoro Naka
自分の中に抱え込んでいた感情が解き放たれた瞬間でした。
孤独だった私の心に寄り添ってくれました。
私の存在を通して、生徒に生きることを伝えたい。
視野が広がる一歩になればいいなと思います。
乗り越えるのではなく、その中で共に生きられるように。
ピンチは他の人と違う経験が出来るチャンス。
大丈夫、頑張ろうって思ってもらえれば嬉しいです。
他の人じゃなく私がやりたいからやる。
仲間がいるって心強い
元気な姿を発信することで、他の人も元気にできる。
お客様の心に寄り添って、安心をお届けしていきたいです。
ウィッグを知らない方に、ウィッグの楽しさを広めていく。
ウィッグには無限の可能性があります。
ウィッグと出会えてよかったなって思っています。
気兼ねなく相談できるようなスタッフになることだと考えています。
トレーニングを通じて、健康と美、前向きな気持ちを伝えていけたら。
自分らしさを大事にする。
ちゃんと「当たり前」のことが「当たり前である社会」にしたい。
ありのままの自分もそうでない自分も、本当の自分として愛し続けること。
なりたい自分になりきって、もっともっと人生を楽しみましょう!
ASPJ立ち上げ当初から目指しているのは私達のような団体がなくなること。
ウィッグはここまで進化してる、って同じ境遇の人にもっと伝われば良いな。
女の子にとって、もっと可愛い自分を見つけられる「魔法のアイテム」
私のまわりは愛が溢れていて、病気の間私は本当に幸せでした。
ウィッグを使ってこんなふうに楽しんでますよ!って伝えたくて。
私がそうだったように、「あなたはひとりじゃないよ」って感じてもらいたい。
人生ってこんなに楽しんでいいんだ!って、そう思いました。
素のままでもウィッグでも色んな選択肢があっていいと伝えたいです。
純粋にオシャレを楽しむ気持ちだけで可愛くなれるんです。
ウィッグが好きなのは、やっぱりいろんな自分になれるから。
リネアストリアの
医療用ウィッグについて