抗がん剤治療中の方へウィッグ選びからお手入れまで抗がん剤治療開始からウィッグ卒業までの流れ抗がん剤治療に向けての準備

抗がん剤治療に向けての準備

ウィッグ着用した女性

日本では、2人に1人ががんになると言われています。
がんという病気は、告知後すぐに入院となる方もいらっしゃるようですが、病気がわかってから治療が始まるまで、ある程度時間を要することもあるようです。
がんの告知を受け不安でいっぱいの中「待つ」時間はさらに不安を増大させてしまうことも多いのではないでしょうか。
突然のことに何から始めたらいいいのか、焦る気持ちでいっぱいになることと思います。
今回は、がん治療の中でも「がん薬物療法・抗がん剤治療」に向けた準備について一緒に考えていければと思います。

目次

日常生活の中で治療を
継続する準備

ウィッグを着用した女性

抗がん剤治療には、服薬と注射がありますが、いずれも血液に入り全身に運ばれますので「全身療法」となります。
身体全体に流れ込んだ薬は、がん細胞だけに作用するのではなく、正常な細胞にもダメージを与えてしまい、それが副作用として現れます。

抗がん剤治療は特に副作用が強いイメージがあり不安になってしまうことと思います。
抗がん剤治療と一言で言っても、人により使用する薬が違いますし、薬の種類や量も異なります。
また、副作用の出方にも個人差があり、症状が現れるタイミングも個人によって異なるようです。

できるだけ心と身体に負担をかけず治療を続けていくためには、副作用で起こる症状や、日常生活の変化に備えることが安心につながると思います。

家や地域、職場で役割を担っている方も多いと思います。
治療中は体調を崩してしまうことや、思い通りに身体が動かない時もあると思いますので、治療が始まるまでにご自身の役割を整理し、調整する時間にされると良いかもしれません。

また、治療前に体調を崩してしまわないことも大切ですね。
手洗い・うがいの習慣化や、体を清潔に保つこと、人込みを避けるなど。
毎日の体温を記録しておくと、治療が始まってからの体調の変化にも気づきやすくなって良いかと思います。

脱毛への準備

ウィッグを着用した女性

抗がん剤治療と聞くと「脱毛」の印象を強く持っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、脱毛しない抗がん剤もたくさんありますし、使用する薬の種類や使用量によっても異なるようです。
また、脱毛する場合も、薄毛になる程度や、全脱毛まで脱毛の具合も様々です。
抗がん剤治療=脱毛ではありませんので、ご自身の治療に使用される薬にはどのような副作用があるのかを主治医の先生や医療者の方に聞いてみられると良いと思います。

ウィッグを着用した女性
ウィッグを着用した女性

脱毛の副作用がある場合は、抗がん剤を初めて使ってから2~3週間後から脱毛が始まることが多いようです。
脱毛後は、ウィッグや帽子、スカーフ、バンダナなどご自身にあったものを使用されると良いと思います。

最近では、ウィッグもたくさんの種類があり、購入できる場所も様々です。
ウィッグ専門店はもちろん、百貨店や理美容室、ファッション小物のお店など、通販での購入も主流となりつつあります。
あまり使用しない予定であれば、必要な時だけレンタルするという方法もあります。

ウィッグの価格は、数千円~数十万円まで様々です。
「医療用」とつくものや、つかないものもあります。
人工毛といった化学繊維でできたもの、人毛でできたものなど、何を選んでいいのか悩まれることと思います。

私たちが一つお伝えできるのであれば「好きなもの」を選んでいただきたいなと思います。

お洋服を選ばれる時と同じように思っていただき、素材や製法も大事ですが、ぜひご自身が好きなもの、似合うものを選んでいただき長い治療期間をサポートしてくれる心強い味方となってくれればと心より思います。

もし、ウィッグのことでご不安やお悩みがありましたら、いつでもお聞かせください。

スキンケアの準備

ウィッグを着用した女性

治療中の入浴や洗顔、洗髪は医療者の方より何も言われなければ、今までと同じで良いようです。
しかし、抗がん剤治療中は肌が敏感になったり、乾燥しやすくなるようですのでスキンケアが重要ですね。

治療中のスキンケアは、「清潔」「保湿」「保護」が基本とのことです。
汚れたら洗い「清潔」にし、肌が乾燥しやすくなりますので「保湿」し、紫外線に当たりすぎないよう「保護」する。

皮膚のトラブルは、痛みやかゆみなどの症状の他に外見上の変化を起こすこともありますので、トラブルを軽くするためにもスキンケアがしっかりできるといいですね。

さいごに

ウィッグを着用した女性

抗がん剤治療は、治療期間が長く、その時間の長さが負担になってきてしまうこともあると思います。
また治療前の不安など、不安の正体が見えないとさらに強く感じてしまうことと思います。

心の中にため込まないで、時には外に出してあげてくださいね。

誰かに頼れる部分は、どんどん頼っていただき、周りにも甘えてくださいね。
活を入れてくれる人、慰めてくれる人、聞き上手な人など、その日の気分に合う友人と連絡を取ってみるのも良いかもしれません。

また、家族や身近な人には話しにくいことでも第三者のほうが話しやすいこともあるかと思います。
そんなときは「がん相談支援センター」をぜひ活用してみてください。
医療ソーシャルワーカーや看護師の方がおられ、話を聞いてくれますよ。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
抗がん剤治療になるかもしれない、抗がん剤治療をすることが決定したなど、不安で押しつぶれそうな気持ちが少しでも和らいでいただければ幸いです。